前編へもどる

つづき




ハール王

><br clear= <おやおや、なんだかおもしろそうなリスさんたちですね。>
<楽隊登場>
><br clear= ラッパに太鼓に、ギターです。
><br clear= バイオリンと、フルートですかね。ラッパさんは真ん中です。
楽隊:皆さん、王様の、お出ましだよ。
ポンポン王国の王様の、お出ましだよ。
 ハール王のお出ましだよ。
><br clear= ><br clear= ハール王:やあ皆さん。約束の刻限です。
なぞなぞの答えは見つかりましたかな。
><br clear= カーリー女王:ええ、あなたのなぞなぞなど簡単でしたわ。
王:おや、そうかね、で、答えは?
女王:ずばり、わたくし自身でございますわ。
王:なんと?そのこころは?
女王:毎日のドレスは違っても、きている私の美しさは同じですもの。
王:確かに、毎日ドレスをとっかえひっかえしているが
、そなたのみばえは同じじゃのう。
><br clear= アダモ:はっはっは、なかなかうまいぞ、王様。
><br clear= 子ポポ:しいい。しつれいですよ。
女王:なんです、王様、違いますの?
これ以外に、答えなんかありゃしませんよ。
  リンシー、何とかおっしゃい。あなたも答える権利があるのですよ。
><br clear= リンシー:私は、・・きっと間違っているとは思いますが、・・
王:ああ、リンシー、ぜひ、かしこいお前の答えが聞きたい。
リンシー:では、申し上げます。水、ではないかと。
王:水?さて、そのこころは?
リンシー:水は氷になったり、雨や、雪や、雲になったりします。
でも、元はみな,水なのではないでしょうか。
王:ああ、リンシー、さすがじゃ。素晴らしい、気に入った。
女王:では王様、リンシーを後継ぎにしてくだいますか?
王:まあ、待ちなさい、まだシャインの答えをきいとらん。
シャイン、どうだ。お前は何か考えついたか?
 なければ、リンシーに決まってしまうが。
><br clear= シャイン:それなら、それで結構です。
リンシー:とんでもありません、兄上こそ王にふさわしい方、
わたくしなど及びもつきません。
女王:リンシー、お前は欲がない子ねえ。
王:シャイン、どうじゃ、なにも考えつかんのか。
<シャイン王子、突然、泣きだしました。何があったのでしょう?>

シャインの涙

DATE: 05/07/2020 22:10:00
子ポポ:シャイン王子、どうしちゃったのかなあ?
アダモ:しーっ!
><br clear= ハール王:(何度もうなづいて)そうか、そうか、わかってくれたんだね。
思い出したんだね。わしはうれしい。さあ、みんな、
シャインの答えを聞いてやってくれ。
><br clear= シャイン:答えは月です。お月さまです。父が、いや、王様が、
母と三人でお月見したときに教えてくれたことです。
毎日、月は形を変える。満月から、半月へ、そして三日月へ。
  そしてまた半月になって、満月になる。でも、実はいつも月は同じで、
2匹のウサギがモチをついているのだ、と。
王:そうだ、なつかしいな。よく思い出してくれたシャイン。
  わしは、母を亡くして悲しんでいるお前の気持ちを察せずに、
さっさと結婚しちまった。
  すまなかった、許せ。
><br clear= 女王:でも王様。これじゃ、この謎、リンシーには不公平ですわ。
私たちにわかるはずもありませんもの。
王:すまん。わしはシャインが思い出してくれるかどうか知りたかった
だけなのだ。
  あの楽しかった思い出を。
国は平和が何よりじゃ。争っておさまるものではない。
シャイン:2匹のウサギは私とリンシーです。
父上、二人で協力して国を治めます。
王:うん、よく言った。それでこそ王子。リンシー、どうじゃな。
><br clear= リンシー:兄上に協力させていただけるとは、これ以上うれしいこと
はありません、王様。 
王:うれしいぞ、リンシー。ああ、病気も治ってしまいそうなくらい
うれしいぞ。
  お妃、どうじゃな、こんなうれしいことはあるまい。
女王:はい、王様にはまいりましたわ。私の考えが狭かったようですね。
><br clear= 子ポポ:やったね、アダモおじさん。

><br clear= アダモ:ああ、感動しちゃったよ。家族っていいもんだな。(クスン)
  子ポポ、オレたちも旅を続けなきゃな。お前の母さんを探しにな。
子ポポ:そうだね。そうだ、ハレルヤ、ハレルヤだよ、アダモおじさん。
おだも:ああ、そうだ。感謝しなきゃな。ハレルヤ、ハレルヤ、
そしてアーメン。
  そうだ、王様、私のなぞなぞの答えを聞いてくれませんか。
><br clear= 王:おや、なんでしょう。ぜひ、聞かせてください。
アダモ:私の答えは、夢、ですよ。毎晩、見る夢は違いますが、
皆、夢のまた夢。 現実ではありません。
みな夢であることには変わりはないのです。
王:あなた、詩人ですね。ステキな答えです。
<二人はまた旅に出ます。ポンポン王国、さようなら!!>

峠で吹雪


<峠道を上っていきます>
アダモ:なかなかきついなこの山は。
子ポポ:もうすぐ峠です。がんばりましょう。
<空がきゅうに暗くなりました。大変です、雪が降ってきました。>
><br clear= こぽぽ:おじさん、吹雪になっちゃったね。前が見えないよ。
アダモ:子ポポ、離れるなよ、こんなところで死んじまっちゃ、つまらねえ。
子ポポ:おじさん、なに握ってんの!それ、私のしっぽでしょ!
アダモ:あ、お前のしっぽか。悪かった。
  なんかフワフワしてあったかそうだったもんで、つい。
子ポポ:とにかく、どこかへ避難しなくっちゃ。
アダモ:どこかいい岩陰でもあればな。
<二人とも歩けず木の根元で休んでいます>
><br clear= 子ポポ:おじさん、ぼく眠い。ひどく眠いんだ。
><br clear= アダモ:バカ、寝たら死んでしまうぞ。かしてみろ。(子ポポの手を取る)
  マッサージしてやるからな、大丈夫、血の流れがよくなれば、また歩けるからな。
子ポポ:ぼくもう歩きたくない。疲れちゃったよ。
アダモ:何言ってるんだ。お母さんに会いたいんだろう。
  ここまで来て泣き言を言うな。
子ポポ:でも、母さん、いるのかな。会えるのかな。
  なんかおじさんの声が遠くなってきたんだけど‥
アダモ:バカ、会えるに決まってる。オレがついてるだろ。
  まだ死ぬのは早いぞ。
<アダモおじさん、子ポポの顔をぺろぺろなめだしました>
子ポポ:あ、お母さん。お母さん、きてくれたんだね
アダモ:こいつ、おれだ、しっかりしろ。
子ポポ:お母さんじゃないのか。おじさんか。どうりで臭いと思ったよ。
アダモ:もっとなめてやろうか。(ペロペロ)
子ポポ:やめてよ、気持ち悪いよ。わかったよ。おきるよ。もうやめて・・
<と言いつつも、子ポポの目が閉じてしまう>
アダモ:寝るな、(ゆすぶって)寝るな。ほら忘れたか。
  ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤだろう、忘れたか。
  オイノリさんがい言ってたんだろう。苦しいときには祈るんだって。
  ハレルヤ、ほら、ハレルヤだ。ハレルヤ、ハレルヤ、ほら!
子ポポ:おじさん、アーメンわすれてるよ。
アダモ:ああ、そうだった。そうそう、ハレルヤ、アーメン。ハレルヤ、アーメンだ。   いっしょに祈ろう。
二人:ハレルヤ、アーメン。ハレルヤ、アーメン。ハレルヤ、アーメン。
<突然、雪の中から何かが現れました>
><br clear= グぁー!
アダモ:うわ!出たっ! もうだめだ! 助けてください、命だけはご勘弁を。   ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ
クウちゃん:だいじょうぶ、食べやしないよ。もう食べ物は十分あるから。
><br clear= ウーちゃん:クーちゃんはやさしいクマさんだから、こわがらなくていいよ。
私は クーちゃんの友達のウーちゃん。
いっしょにクーちゃんのうちへ来てあったまりなよ。
><br clear= 子ポポ:おじさん、助かったんだよ。よかったね。もう大丈夫だよ。
アダモ:こんなところで、まさか助けてもらえるとは、こりゃ全くありがたい。
  ハレルヤ、ハレルヤ!ハレルヤ、アーメン!
クーちゃん:今夜は大雪になるべさ。おらの穴で一晩とまってけや。
ウーちゃん:それがいい。みんないっしょに、今夜は過ごしましょう。
アダモ:よかったな子ポポ。
子ポポ:うん。
<クーちゃんのねぐらってあったかそうですね>

クーちゃんのねぐら


DATE: 05/09/2020 21:44:22
><br clear= <クーちゃんのねぐらです。母親探しの旅だと聞かされ>
><br clear= ウーちゃん:クーちゃん、猫村に犬さんがやってきたってうわさ、あったよね。
   猫村に犬なんて、ヘンだとは思ったんだけど。もしかして・・
><br clear= クーちゃん:うん、そうだな、何か関係あるかもな。詳しいことはわからないけどな。
   この先の山奥に、猫村っちゅう集落があるだよ。
><br clear= アダモ:猫村?
クーちゃん:今年はひどいききんでな、食いものにも困るほどだったそうだ。
そうしたら、 はやり病が広がってな。もう村は地獄だったってさ。
ウーちゃん:疫病ね。ひどかったんだって。
クーちゃん:それがピタッとおさまったちゅうんだな。よそから来た犬さんに、
   神頼みしてもらったんだとよ。おかげで、ムラは助かったそうだ。
   それまではやっていた病気がウソのように消えたんだとよ。
ウーちゃん:だから、みんなその犬さんのことを「お救いさん」って呼んでるんだって。
アダモ:おすくいさん?
><br clear= 子ポポ:アダモおじさん、行ってみようよ、その猫村ってとこ。
お救いさんって、お母さんかもしれないよ。。
アダモ:お救いさんが、お前のお母さんとは限らんぞ。それでもいいか。
子ポポ:うん、行ってみたい。会ってみたい。
アダモ:行くしかないか。ここまで来たんだもんな。いけるところまで行ってみよう。
子ポポ:いけるとこまで行ってみよう。
アダモ:まねすんな。
子ポポ:まねすんな。ハハ、ハハハハ・・
<外の雪はやんだのでしょうか?山は静かになりました>
-----

猫村


05/11/2020
><br clear= <猫村に入るアダモと子ポポ>
ーお待ちください。
><br clear= ミーコ:私たちは、ムラの警備のものですが、この先は猫村で行き止まりです。
   どこへ行かれるのかわかりませんが、その先は道がないのです。
子ポポ:その猫村に行くんだよ、ボクたち。
><br clear= ミーコ:もしかして、あなた方は、お救いさん、いえ、ポポさんの
   お身内のかたではありませんか。
子ポポ:そう。そのポポさんって、ボクのお母さんかもしれないんだ。
ミーコ:お母さん? ポポさんが? つまり、あなたがポポさんのお子さん?。
アダモ:それを確かめに来たんですよ。
ミーコ:ちょっと失礼。(子ポポの胸のあたりをかぐ)ふん、ふん。
(こんどは後ろに回っておしりのあたりをかぐ)
ふん、ふん、確かに。ポポさんと同じ匂い、まちがいありませんね。
子ポポ:アダモおじさん、まちがいなさそうだよ・・
アダモ:ああ、そうらしい。よかったな、子ポポ、やっと会えるぞ。
ミーコ:実は、村のババ様に、ポポさんを訪ねてくる方があるから、
ご案内するように言われておりました。
アダモ:ババ様とはどなたですか?
ミーコ:村の長老です。ポポ様をお招きしたのもババ様です。
私が命じられて、探し当て、この村にお招きしたのです。
アダモ:この村へ、ポポさんを招いたと?いったい、なぜ、ポポさんを?
ミーコ:この村を救うためです。緊急事態だったのです。
子ポポ:それでお母さん、すぐに出発したんだね。
アダモ:大変な用事だったと見える。子供を置いて、行っちゃたんだからな。
ミーコ:村のためにつらい思いをさせてしまったんですね。
申しわけありませんでした。詳しいことは村で。 では、こちらへ。
子ポポ:お母さん、びっくりするかな、アダモおじさん?
アダモ:ああ、びっくりだ。
ミーコ:・・
<子ポポはお母さんに会えるので、もう、うれしくってたまりません。> 

猫バー


05/11/2020
><br clear= <やぐらの前にて> 猫バー:わしが猫バーじゃ。断っておくが、ババネコでも、
ネコババでもない からな。
アダモ:猫ばあさん、ですね。
><br clear= 猫バー:ネコばあさんじゃないぞ。猫バー。猫バーでいいのじゃ。
アダモ:妙にこだわるんだね。どっちでもいいと思うけど。
猫バー:そうはいかん。かみの毛を見てもわかるとおり、わしは
ライオンではない。
子ポポ:そうだね。でもすごい髪の毛だね。
猫バー:おや、お若いのありがとよ。もう何十年生きとるのか自分でも
   わからんのじゃ。だが、おかげで不思議な力を与えられた。
   このたび、お救いさんを頼んだのもわしだし、お前さん方が、
   何しにこの村へやってきたのかもわかっておる。
子ポポ:すごいね、神様みたい。
猫バー:バカ言うな。もったいない。わしはただの年より猫じゃ。
ただ、長生きしたおかげで、神様から知恵を授かったのじゃ。
子ポポ:猫バー、私たちがここへ来たのはね、
猫バー:待て、みなまで言うな。わかっておる。
お母さんを探しに来たんじゃろ?
つまり、ポポさんのことじゃな。村のお救いさんじゃ。
アダモ:じゃ、やっぱりそうなんですね。で、どこにいるんです。
呼んできてもらえませんかね?
   親子の対面ってのを、ぜひ、お願いしたいんですがね。
猫バー:それがナ・・
アダモ:それがなあって、まさかどっか行っちゃったんじゃないでしょね?
猫バー:それがな・・そのまさかなんじゃ。
こぽぽ:ええっー!
アダモ:でもお救いさんとか言って。いるんじゃないんですか?
ダメですよ、隠したって。
猫バー:隠しやせん。そうじゃ、お救いさんとは、お前さんのお母さんの
   ことじゃ。あの方のおかげでこの村は救われたんじゃ。
   この村がききんと、はやり病で滅びかけていたのを救って
くれたんじゃよ。
アダモ:じゃ、ポポさんは、いったい、今どこにいるんです?
猫バー:あっちじゃ。(やぐらの先の空をさす)
><br clear= 子ポポ:あっちって、あのてっぺんの?空しか見えないけど、猫バーさん。
猫バー:そうじゃ。空じゃ。
子ポポ:えーっ!?
アダモ:まさか、死んじゃって…
猫バー:死んではおらん。生きとるが、・・・
アダモ:空の上じゃ天国ってことでしょ!
 そりゃ死んじゃったってことでしょうよ。
猫バー:死んではおらんのじゃ。
アダモ:もうわけわからんですよ。いったいどういうことなんですか!?
<子ポポはもう大声で泣きだしました?>
ーうええーっん、うええーっん、うええーっん ・・・
-----

お救いいぬ


DATE: 05/15/2020 21:28:23
猫バー:ポポさんは、お救いいぬの一族なんじゃ。
お救いいぬというのはな、オオカミの血を引く一族で、
昔っから、この村の守り神じゃ。
   この夏は、日照りで村はききんに苦しんだ。おまけに疫病が広まっての。
   もう地獄じゃった。それでわしが占って、
お救いいぬのポポさんを探させ、呼びにやらせたのじゃ。
   ポポさんはすぐに来てくれた。そう、まだ小さな子がいたというのにな。
   (子ポポに)あんたのことじゃな。
かわいそうだったが、仕方がなかったのじゃ。
><br clear=    ポポさんは、この村に矢のように走ってきた。そして、わしらの頼みを    聞くと一気にこのやぐらを上った。
><br clear= アダモ:えっ!このやぐらを!?
子ポポ:お母さんが!?
猫バー:そうじゃ、お母さんはお救いいぬの仕事をちゃんと心得ていてな。
   わしらは下で、しきたりにしたがって、火をつけるのじゃ。
アダモ:火をつけるって!?
猫バー:お救いさんがやぐらに駆け上がった後、山積みしたたきぎを
燃やすのじゃ。
子ポポ:そんなことしたら、焼け死んじゃうよ。
猫バー:そうではない。お救いさんは、迷わず、天をめざすことが
できるのじゃ。それでこそ、神様に会えるのじゃ。
アダモ:そりゃア・・ひどい、あんまりだ。
子ポポ:そうだよ、かわいそうだよ。
猫バー:そうしなかったら、村は救われんのよ。
アダモ:なんだ、おとなしく聞いてれば、お前たち、村を助けにやってきた
   ポポさんを、いけにえにしちゃったってことだよな。なんてことだ。
   ヒト殺し、いや、イヌ殺しの猫どもめ。
猫バー:いや、ちがう! アダモさん、子ポポちゃん、殺してはおらん。
   確かにポポさんは天に上ったのじゃ。そして、
神様にこの村をすくうようにたのんでくれたのじゃ。
   おかげで村は助かった。ポポさんは生きておるのだよ。
それは間違いない。
   そうじゃ、これをポポさんから預かっておる。
<小さな鈴を子ポポに渡す>
子ポポ:<振ってみる。リンリン、リンリン。リンリン、リンリン>
   これは、お母さんがつけていた鈴!私の体をなめてくれた時、
   いっしょに走った時、いつも鳴っていた音。なつかしい! 
猫バー:そうじゃ。これをあんたに渡してほしいってのう。
そう言って、上っていったんじゃ。
   子ポポちゃんが鳴らすの鈴の音を、天のポポさんも今、聞いているぞ。
子ポポ:じゃあ、ほんとにお母さん生きているんだね、猫バーさん。
   会いたいよ。アダモおじさん、子ポポもお母さんのところへ
   行きたい。
アダモ:なっ、なに一っ!?
<さてさて、アダモおじさん、困っちゃいましたね>

アダモのひ・み・つ?

DATE: 05/16/2020 12:35:20
><br clear= <泣きじゃくる子ポポを前に、困ってしまうアダモです>
アダモ:泣くんじゃないっ!子ポポっ!お前何を言ってるのかわかってない
   だろう!ポポさんのところへ行くってことは、死ぬってことなんだ。
><br clear= 猫バー:いや、いや、そうではないのだアダモさん。
アダモ:いいや、だまされませんぞ。オレたちが上った後で、また、
   火をつけるに決まってラー。
猫バー:そりゃ、そうしないと天へはいけませんから、つけますよ。
アダモ:ほらな、聞いたか子ポポ。こいつら、オレたちのことも丸焼きにするv    つもりなんだよ。それで、証拠隠滅だ。村は安泰だ。そうだろ、猫バー!
   こんなインチキバーさんに、だまされてたまるかってんだ。
猫バー:インチキ! たわけたことを、ではここであんたの秘密を子ポポさんに
   暴露してもよいかな、アダモさん。
子ポポ:秘密ってなあに。知りたい知りたい!アダモおじさんの秘密って
   何だろう。
アダモ:お前、急に元気になりやがって。猫バー、オレの秘密だと?
   そんなのこわくはねーや、勝手に言ってみろ。どうせ、オレの苦手は
   ピーマンだとかいうんだろ?
><br clear= 子ポポ:アダモ、ピーマン嫌いだったっけ?
アダモ:えっ、まあ、な。それがどうした?
猫バー:そんなこっちゃない。お前さんが、実は子ポポちゃんの・・
アダモ:たっー、たっ、たっ、たっ、たっ、たっー。そこまで、あぶねえ、
   あぶねえ。それかよ。それでしたか。まさか、それとは。ばばあ、
   いや、猫バーさん、なんで、なんでそのこと知ってるの? ですか?
猫バー:言ってもいいのか?わしがインチキではないという証拠を見せたい
   だけなのじゃが。
アダモ:わかりました。わかりました。インチキだなんて言いません。
   言いませんよ。
子ポポ:知りたい、知りたい!アダモの秘密。おせーて、おせーて猫バー。
アダモ:かんべんしてくださいよ。
子ポポ:おせーて、おせーて、おせーて、猫バー。
アダモ:いい加減にしろよ、子ポポ!
猫バー:まあ、わかってもらえばいいんじゃ。子ぽぽちゃん、あとでわかる
   じゃろ。それまでの楽しみにしておきなされ。
子ポポ:なーんだ、つまんないの。
アダモ:ありがたい、猫バーさん。
猫バー:猫バーだ、っちゅうの。
子ポポ:でも、行くんでしょ、お母さんのところへ?
アダモ:おめえ、どうしてもか?
子ポポ:うん、どうしても行く!
アダモ:途中で、やめたなんて言わないな?
子ポポ:言わない、言わない、絶対言わない。
アダモ:ほんとうだな?
子ポポ:ほんとう。嘘じゃないよ、アダモおじさん。
猫バー:行くしかないようじゃな、アダモさん。
アダモ:…もし、失敗したら、二人とも焼け死んでしまうぞ。
子ポポ:うん、いいよ、死んでもいい、死んでも会いたい。
アダモ:よーし、よく言った。その覚悟があれば、いけるかもしんねえ。
   おじさん、お前につきあうぞ。死ぬときはいっしょだ。
<とうとう決心をしましたね。でも、アダモの秘密って、なんでしょね>   
-----

神様、たすけて!


DATE: 05/16/2020 16:24:11
<やぐらを上る子ポポ、そのあとにアダモ>
><br clear= アダモ:あわてるな。しっかりつかめ。足を踏み外すなよ。おまえ、いいな、
   足が長くて、・・
子ポポ:おじさん、早く、ほら、もう村が見渡せるよ。あ、おじさん
、    柴に火が!
アダモ:あっ、はえーな。もうつけやがった。急げ子ポポ、ゆっくりしちゃ
   いらんねえぞ。やぐらが倒れたら、二人ともまる焼けだ。
<煙の中>
><br clear= アダモ:ゴホン、ゴホン。こりゃきつい。熱いし、けむいし。
子ポポ:おじさん、もうすぐてっぺんだよ、がんばろう!
アダモ:けつが熱くて、燃えてるみたいだ。パンツはいてねえからなあ。
   あ、ちち、あっ、ちちちち、あっちちちち・・
子ポポ:おじさん、おじさん!ほら、忘れちゃだめだよ。苦しいときは、
アダモ:そうか!ハレルヤ、だったな!?わすれるもんか。ハレルヤ、
   ハレルヤ、あちち、ハレルヤ、ハレルヤ、アーメンだ!くそっ!
   ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ、アーメン! ああ、神様、お助けを!
<遠くから、低いこえが返ってくる>
ー ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ、アーメン。
<二人、どんどん上へ吸い上げられる>
子ポポ:うわあー!
アダモ:なんだ、どうした?どうなってんだ?うわあー!
><br clear= ><br clear= ><br clear= <雲の中を上昇する二人>
アダモ:おい子ポポ、あれは何だ!?
><br clear= 子ポポ:あれって? あれ、ひつじかな?
<雲の中に大ヒツジが眠っている>
><br clear= アダモ:子ポポ、ほら、天だよ、青空が見えるぞ。
子ポポ:ほんとうだ。
アダモ:なんだか気持ちいいな。フワフワしてるぞ。
子ポポ:ほんとうだ、浮いてるみたいだ。とんでるのかな。
   それとも、・・
アダモ:死んじゃったかだ・・
<苦しそうでしたね。でも、楽になれてよかったです>

夢か、うつつか

05/16/2020
<一面の雲です>
><br clear= ポポ:いらっしゃい、子ポポ。よく来ましたね。
きっと来れると思ってました。
   アダモ、ありがとう。あなたが助けてくれたのね,子ポポを。
やっぱり、父親だけのことはあるわ。

子ポポ:ええーっ!どういうこと?
アダモ:実は、そのー・・
子ポポ:まさかそんなア・・猫バーが言ってた秘密って、これー?
アダモ:おれがオヤジじゃ、いやか? いやだよな、当然だ。オレじゃな。
><br clear= 子ポポ:そんなことない、うれしいよ? お父さんって呼んでいい?
><br clear= アダモ:てれるな、・・
><br clear= ポポ:さあ、子ポポ、おいで、お母さんに抱きしめさせてちょうだい。
子ポポ:うん、お母さーん! 会いたかったよー、うえーーん!
<子ポポはお母さんの胸の中に飛び込んでいきました>
><br clear=木の下で目覚める二人>
子ポポ:おはよう。
アダモ:おはよう、起きたか。お前、泣いてたぞ。お母さんの夢でも見たか。
子ポポ:うん、やっと会えた。抱きしめられちゃったよ。
アダモ:そうか、そりゃあ、よかった。
子ポポ:おじさん、・・ひょっとして、ぼくのお父さんなの?
アダモ:(どぎまぎして)えっ!いや、それは・・そんなわけねえだろ。
子ポポ:そうだよね。よかった。
アダモ:よかったって、そりゃ、どういう意味よ。
子ポポ:ぼく、もうお母さん探さなくていいんだよね。いつでも、会いたい
   ときは会えるってわかったし。お母さんが言ってた。
   「お前の道を歩みなさい」って。
   アダモおじさん、「ボクの道」って、どんなかな?
アダモ:そうだな・・これから歩いていくんだ。これからだよ。
><br clear= 子ポポ:そうだね、これからだね。楽しみだね、おじさん。そうだ、あれっ!
アダモ:ん、あれって、なんだ?
子ポポ:ハレルヤ、ハレルヤ!ハレルヤ、ハレルヤ、だよ。
><br clear= アダモ:(笑って)そうか。そうだな、ハレルヤ、ハレルヤだ。
ーハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ、アーメン。ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ、アーメン
><br clear= <二人の冒険はまだまだ続きます。わくわく!>

< おわり >

><br clear=