コポポの~
大冒険!!
to EUREKA!!
ボンジュール ! いや、ボンスワー?
それとも・・ンンン・・ま、何でもいいや!
よろしく!
おっとごめん!後ろからなんて失礼だよね。
オレはアダモ。フレンチブルドックって種類らしいよ。
それで一応フランス語しゃべれるふりしてみたってわけ。

で、これが正面。なかなかいい男だろ、いや、犬だろう?
あらためまして,おれ、アダモ。もうおじさんだよ。
なんで腹掛けしてるかって?冷え性なんだ、こう見えて。
実はオレ、フェルトでできてる。おいおい紹介するけど
仲間はいっぱいいるんだ。それでみんなで物語を作ろう、ってことになった。
じゃあ、物語の中でまた会おうね。
バイバイ・・いや、サリュー!メルシボクー!
<
コポポの目が昼寝中のアダモをのぞき込む>
< アダモ驚いて >
「ぎゃ!!(飛び起きる)なんだ、なんだ・・いったい!?」
「おじさん・・・」
「お、お前は…」
「なんだ・・コポポじゃないか!びっくりさせるな!」
(この眼力がやけに強いのが「コポポ」だ。母親のポポは、「ユリーカ」っていう村から出てきた。いや飛び出したっていうのかな。後で知ったんだけど、ポポのお腹にはもうコポポがいた。
そうとは知らずにオレも後を追って村を出た。コポポの父親かって?!
ノンノン、オレじゃない。オレじゃない!
オレは長老たちの特命で後を追って来ただけだ。その話はまた後で。今の話は内緒だよ。特にコポポにはね!)
(コポポ,アダモのねぐらに飛び込んできた)
「おじさん、おじさん、大変だよ。お母さんがいなくなっちゃった。」
「なにっ! いなくなったって、ポポさんがか? どっか食いもんでも探してんじゃないのか?すぐに帰ってくるさ。」
<コポポが書おきを見せました。>
コポポへ
お母さんは
村へ帰らねばなりません。
あなたはアダモおじさんと
ここで待ってなさい。
お母さんより
<書きおきなんか犬に書けるのかって?そんなかたいこと言っちゃあダメ、ダメ!>
はーい、子ぽぽでーす。
ポポさんって名前のワンちゃんがなくなったのはもうずっと前なんだけど。
2012年の11月。そう、あの地震があった次の年。
パパさんは大泣きに泣いて馬鹿みたいにいっぱいポポさんの人形?犬形?作り始めたのね。フェルトでできてるやつ。
そのうちの一匹が私なの。目が飛び出て変なんだけど、パパさんとっても気に入ってるらしい。
後で実際のポポさん見てね。とってもかわいいの、ほんともう犬なんて呼べないレベル。
じゃあまたね。
アダモ:
すぐ帰ってくると思ったんだが、このかきおきだと・・・
何か大変なことに巻き込まれてるかもな。
コポポ:
大変なことって?
アダモ:
そりゃ、オレにもわからん!
だが、子供をほったらかしていく母親はいないよ。
コポポ:
ボクね、あちこち走り回って探したけど、どこにもいなくって、そしたらお母さんの手紙を見つけたんだよ。
アダモ:
実のところ、オレもポポさんとは同じ村の出なんだが・・。
コポポ:
ほんと?初めて聞いた。まさかアダモ、ボクのお父さん、なんちゃって・・
アダモ:
冗談じゃない、とんでもない!ありえない!
コポポ:
だよね!考えてみるだけで、気持ち悪い。
アダモ:
それ、どーゆー意味?こっちのほうが気分悪いぞ。
コポポ:
ごめんなさい。でもアダモおじさんはすごいですよ。
食べ物探しがとっても上手だから。お母さんも助かるって、ほめてるよ。
アダモ:
そうなの?うれしいね。自慢するほどでもないけど・・こら!今ごろおだてたっておそい!
よし決めた!コポポも、行ってみるか?
コポポ:
行くって? どこへ?
アダモ:
村だよ。
コポポ:
村へ?でも、「待ってなさい」って書いてあるけど。いいの?
アダモ:
村へ行ったとすると、待ってても・・いつ帰ってくるかどうか分からんぞ。
コポポ:
うん!行く、コポポ、行くよ!村ってどんなとこ?アダモさん。
アダモ:
村か・・・村はな・・あーあ、帰りたくねえな。けど、ポポさんが帰っちまったんじゃ、オレも帰らなくちゃな・・・
コポポ:
何ひとりでブツブツ言ってるの?
アダモ:
大人の事情ってのがあるんだよ、あー・・やだやだ!
コポポ:
悩んでる場合じゃないでしょアダモ。さあおきて。いかなくっちゃ!出発だよ!!
アダモ:
コポポ、今呼び捨てにした?オレのこと?
コポポ:
いいじゃないですか、一緒に旅するんですから。
アダモ:
分かりました。よーし!出発だ!出発だ!!もうやけっぱちの出発だ!!
さあ、二人の旅が始まりましたよ。
牧場にて
コポポ:
村に行く道ってこっちでいいの?
アダモ:
ああ、こっちのはず。ただしオレって方向音痴なんだけどな
コポポ:
けどなって、なんか心配だなあ。
わー、牧場だ!!広いね。
アダモ:
仔馬もいるぞ。ちょっと聞いてみよう。
(さくさく、さくさく、草をはむ音)
母馬:
ゆっくりお食べ。よーくかんで。
子馬:
僕、牛さんじゃないよ、ここの草、ぜーんぶ食べちゃおかな。
母馬:
馬鹿なこと言って。ほら、おじさんが笑ってるよ。
おじさん馬:
親子で仲がいいね。うらやましいよ。
母馬:
そうですかねえ。近頃やんちゃで困ります。
おじさん馬:
ハハハ。おや、だれかやってきましたね。
コポポ:
こんにちは。お食事中のところごめんなさい。
アダモ:
ちょっと伺いたいんですが。
母馬:
なんでしょ。
アダモ:
この子の母親を探しているんですが。
コポポ:
とってもかわいい目と薄茶色のやわらかい毛をしてて・・それに真っ黒の鼻。
アダモ:
ポポさんっていうんですがね。通らなかったかい?
母馬:
さあ・・
おじさん馬:
おれたちゃ、牧場から出るってことがあんまりないからね。
子馬:
この森を通ったならリスさんたちが知ってるかもしれない。
森のことなら、よく知ってるからね。
コポポ:
リスさんたちだね。ありがとう。アダモおじさん、森へ行って聞いてみようよ。
アダモ:
リスか・・。この森かい・・?行ってみるか。
<
二人は、暗い森の中へ入っていきました。>

コポポ:
なんかくらいね。怖くない、アダモ?
アダモ:
暗いくらいなんだ・・森の中だから暗いのは当たり前だ・・オレは怖くはないぞ、怖くない、なにこのくらい。
オレ様は立派なノラ犬なんだからな。こわくは・・
コポポ:
おじさん、震えてるね?
アダモ:
バカ、オレは楽しいと震えるんだ。ほれ、わくわくして震えるんだよ。

<しっー、リスさんたちが何か言ってますよ>
リスA:
今年の冬は寒そうだけど、
木の実のたくわえは十分かしらね?
リスB:
もうちょっと頑張っておこうか。雪が降るとエサ探しも楽じゃないからね。
<そこへ、アダモたちがやって来ました>
アダモ:
ちょっと伺いますが・・
リスA:
あら、あなたたちね、お母さん探してるんでしょ。
馬さんたちから聞いてるわ。私たち、早耳だから。
で、森の仲間たちにも聞いて回ったのよ。
コポポ:
何かわかりましたか?
リスB:
それがなにも。この森では、変わったことはなかったみたい。
アダモ:
そうかい。残念だけど、仕方がないなコポポ。
<二人、リスさんたちに礼を言って歩き出す>
リスA:
そう、そう!この森を抜けると教会があるの。
リスB:
そう、そう!お祈りさんに占ってもらうといいよ。
不思議とあたるんだ。
リスA:
いつも神様に祈っているのよ。
だから「お祈りさん」って呼んでるの。
リスB:
困ったときは「お祈りさん」に相談するんだ。
頼めばきっと占ってくれるよ。
アダモ:
そうかい。それじゃあ、ぜひ行ってみよう。
コポポ、よかったな。きっと何かわかるよ。
さっ、善は急げだ。
コポポ:
うん、おじさん!
<実は、アダモ、早くこの森を抜け出たくて仕方がなかったのです。>
<森の出口>
コポポ:
アダモおじさん、もう大丈夫だよ。
アダモ:
何が大丈夫なんだ。オレ様は、何も怖がってなんぞいないんだからな。

コポポ:
あっ、あれだね。おいなりさんの教会って。
アダモ:
お前今、おいなりさんって言ったか?
コポポ:
ちがうの?
アダモ:
おおちがいだ、おいなりさんじゃあ神社のキツネになっちまうだろ。
コポポ:
じゃあ、なんていうの?
アダモ:
おいなり、いや、おい・の・り・さんじゃねえか。
まちがえんなよ。失礼だからな。
コポポ:
うん、気をつけるよ。

オイノリ:
ゆるしてください。どうか、ゆるしてください。
罪ふかき私めを、どうかおゆるしください。

<下から見るとこ~ンな感じ>

<ちょっと、この足、見てやってください.
真剣でしょ?>
アダモ:
こんにちわ。
コポポ:
こんにちわ。
オイノリ:
おや、お見かけしないお客さまで。
アダモ:
へい。ちょっと伺いたいことがありまして。
オイノリ:
その子の母親のこと、かな?
コポポ:
なんで知ってるの?あ、そうか、リスさんから聞いたんだね。
オイノリ:
お前のお母さんは、お前を捨てたんじゃない。大切な使命があって、ふるさとの村へ帰ったんじゃ。
アダモ:
なんでそんなことまで。だれが言ったんです、そんな話。
オイノリ:
誰も。
コポポ:
じゃあ、でたらめなの?
オイノリ:
お告げじゃ。でたらめではない。
アダモ:
なんか怪しいな・・。で、その村へ行く道はこっちでいいんでしょうか?
オイノリ:
行きなさい。この道を信じて行くしかない。
アダモ:
信じるって・・だいじょうぶかな、この人。
オイノリ:
信じられない?それが罪です。神様、どうぞおゆるしください。私たちに、もっと信じる力をお与えください。
コポポ:
ボクは信じるよ、おいなりさん。お母さんに会えるんならボク、信じます!
オイノリ:
何と?
コポポ:
信じるよ、おいなりさんの話。
オイノリ:
あの・・おいなり、とは?
アダモ:
コポポ、おめー、ずっと、おいなりって言ってっぺ!
<とうとうイバラキ弁まるだしです、ああ、はずかし!>
(ばかもの!県民として茨城弁に誇りを持てっつうの!これ、作者自身への𠮟咤です、失礼しました。)
コポポ:
わあ、そうだった、ごめんなさい、お・い・・・。
オイノリ:
お、い、の、り、です。別に、気にしてなんかいませんよ。それに、おいなりさん、私の大好物ですから。
アダモ:
さすが、心の広い人だ。じゃあ、オレら、これをまっすぐ行けばいいんですね。わかりました。
コポポ、こうなったら、信じていくほかないぞ。
コポポ:
そうだね、おじさん!
アダモ:
出発だ!
コポポ:
出発、出発。おいなりさん、ありがとう!
<とうとう、おいなりさんになっちゃいましたね。>
<オイノリさんと別れたアダモとコポポ>
コポポ:
晴れかな、雨かな。晴れかな、雨かな。
アダモ:
さっきからそればっかし言ってるが、雨なんか降りそうにもないぞ。
コポポ:
そうじゃないよ、おいなりさんのおまじない。
アダモ:
おいなりじゃないだろ。
コポポ:
へへ、そうだった。オイノリさんだね。
ぼくに教えてくれたんだよ。
苦しいときは、これを言えばつらくないって。
アダモ:
へえー、いつの間に。オレは聞いていないぞ。
コポポ:
ボクは大事なことは忘れないんだ。
アダモ:
こいつ、抜け目がない奴だな。
コポポ:
晴れかな、雨かな。晴れかな、雨かな。
アダモ:
晴れかな? 雨かな?みょうだな・・
確かにオレも聞いたような、だが・・。
コポポ:
晴れかな、雨かな。晴れかな、雨かな。
アダモ:
わかった、そりゃちがうぜ、コポポ。晴れかな、じゃない。
ハレ・ルヤ、だ。
コポポ:
ハレルヤ、ハレルヤ。うん、そうだった。ハレルヤ、ハレルヤ。
これどういう意味なの?
アダモ:
うーん、バンザイとか、喜びの言葉らしい。とすると「雨かな」は・・
そうだ、きっと「アーメン」だ。
そっ、ハレルヤ、アーメン。ハレルヤ、アーメン。
これがオイノリさんのおまじないだ。
それをお前に教えてくれたんだな。
コポポ:
へえー、そうか。おじさんありがとう。
ぼくよくわからなかったんだ。
もう大丈夫だね。ハレルヤ、ラーメン。ハレルヤ、ラーメン。
アダモ:
ラーメンだと? お前ふざけてんのか? まッ、いいか。
アーメンの意味はオレもよくわからんからな。

<シカ食堂の前>
コポポ:
ラーメンの話してたからおなかすいちゃったよ。
アダモ:
お前、バチ当たるぞ、アーメンだ。おう、シカ食堂か。
シカの肉料理でも出すのかな。
シカの親子:
いらっしゃいませ。
アダモ:
ゲッ、ほんとのシカだよ。
母シカ:
何を驚かれてますの?
アダモ:
いや、なにも。そのシカ食堂って書いてあったから、
オレは、てっきり、・・
(ポポのパパさんの無茶ぶりにはあきれるよ。)
<ズーズー、ちゅるちゅる。ラーメンをすする音。>
アダモ:
ごくごく・・アーうまかった。
コポポ:
ボクもうおなかいっぱいだよ。

母シカ:
感心だね、お母さん探してるんだって?リスさんたちに聞いたよ。

アルパカ:
ぼくも聞いたよ。アルパカ牧場の仲間にも聞いてみたけど、
みんな知らなかった。
アダモ:
きみは牧場を飛び出してきたのかい?
母シカ:
しょっちゅうなんですよ。うちのシカオと遊びたくって。
アルパカ:
(シカオに)友達だもんね。
シカオ:
うん、友達だもんね。今日も遊べる?
アルパカ:
あそぼ、あそぼ。
コポポ:
ボクも入れてくれる?
アルパカ:
もちろんだよ。シカオちゃんも、出てきなよ。
<というわけで、コポポも久しぶりに走り回って遊びました。>
<また山道です>
コポポ:
アダモおじさん、怖いね。
アダモ:
寒いしな。何、もうすこしで峠に出る。日があたりゃ、ポッカポカだぜ。
<おおいぬのシロとボンボンが道をふさぐ>

シロ:
おい、ここをどこだと思っている。オレたちの縄張りを勝手に通るとはふてえやつらだ。
ボンボン:
オレたちと相撲を取れ。俺たちに勝ったら通してやろう。
アダモ:
なんだ、山賊かと思ったら、お相撲さんとはね、・・
コポポ:
びっくりだね、アダモ。よし、いいよ、取ってあげる。
ボンボン:
取ってあげる、だと?こいつ、ちびのくせに生意気だな。
コポポ:
あっ。ちびって言ったね。それ差別言葉だからね。
使っちゃいけないんだからね。
ボンボン:
ごちゃごちゃめんどくさいやつだな。いいか、知って驚くなよ。オレたちは負け知らずの連戦連勝だ。
アダモ:
へえー、で、相撲はどこでやるのかな。
シロ:
この先に崖がある。
コポポ:
崖なんて危ないよ。野原にしなよ、ひっくり返ってもいたくないしさ。
ボンボン:
こいつ、なめてるな。相撲は遊びじゃないんだ。
シロ:
がけから落ちたほうが負け。命がけだ。それが俺たちのやり方なんだよ。
コポポ:
アダモおじさん、どうしよう。ここで死んだら、お母さん探せなくなっちゃうよ。
アダモ:
なんとか、ここは勘弁してもらえませんか。この子の母親を、探さねばならんのです。
ボンボン:
母親なんか、オレたちだってありゃしねえ。甘いこと言ってんじゃねえぞ。
シロ:
俺たちはこの山に捨てられて、ずっと助け合って生きてきた。
まだ目も開いていない子犬のうちにな。
コポポ:
うわーひどすぎる!カワイそー。じゃあ、わかった、取ってあげる。崖でもどこでも取ってあげるよ。君たちの気が済むようにしなよ。
アダモ:
おめえー、すっげえ度胸だな。オレは・・・くそ!こうなりゃ・・やけくそだ!!やってやろうじゃないか!。

<崖に来ました。下は絶壁、深い川が流れています.
最初はコポポ対ボンボン。行司はアダモがやります。>
アダモ:
はっけよい、のこった!のこった!
<コポポがボンボンの後ろに回ります>
ボンボン:
あれ、どこ行った?
コポポ:
へーい、こっちこっち。
ボンボン:
逃げるなんてひきょうだぞ。
コポポ:
じゃあ捕まえてみれば?
ボンボン:
よーし、待ってろよ。やっ、こりゃ、こいつっ、まてっ!ふー、なんてすばしっこいんだ。えいっ、ありゃっ、もうっ!
<コポポはボンボンのわきの下や、またの下をかいくぐって逃げ回ります。>
ボンボン:
あんちゃん、これじゃあ、いつまでたっても勝負にならねえよ。交代だ。タッチ!
<シロが代わって土俵に入ります>
アダモ:
コポポ、オレたちも交代だ。
コポポ:
えー、大丈夫?
アダモ:
だいじょうぶ、ちょっと秘策を思いついた。
コポポ:
秘策って?
アダモ:
耳かしな。こちょこちょこちょ。こちょこちょこちょ・・
コポポ:
ええーっ!?

シロ:
見くびられたもんだオレ様がこんなジイさんに負けるはずないだろう。
アダモ:
ジイさんだと!? 言いやがったな。ジイさんをバカにするなよ!!
<コポポが行司で、シロとアダモの戦いが始まる。アダモの秘策とはなにかな?>
<コポポが行司になり間に立つ>
コポポ:
はっけよーい、のこった、のこった!
<アダモ、後ろを向いておしりを突き出しました?>
シロ:
???なんだこの音は?うえーっ!クッサ!!

<アダモのおしりから何か出てきました。>
プワーオン、プワーオン!プワーオン

<な、なんと、ゾウさんじゃあありませんか!アダモのおならがゾウさんになって出てきたんです。>
プワーオン、プワーオン!プワーオン!
シロ:
うわー、臭ーい、気持ち悪ーい、ボンボン、助けてくれー!!

<ゾウさんの頭がシロの頭にごっつんこ!!>

<シロの目が回っちゃいました>
シロ:
くさい、くさい、くっさーい!! 息ができない、助けてくれ!まいった。
アダモ:
コポポ、今のうちだ。
コポポ:
えっ、なに?
アダモ:
手を握れ。いくぞ!
コポポ:
えーっ、何する気?!聞いてないよー!

<二人は手をつないだままとびおりました>
うわー,アダモ~

うわー,コポポ~

おかあちゃーん!!ドブーン!!

<二人はどんどん流されていきます。>
コポポ、お前、泳げるのか?!おれ、泳げないんだ!助けてくれ~
えー!イヌのくせに泳げないの!?ボクもだー!

<とうとう二人とも見えなくなりましたね。>

<心配するコポポ>

<気が付くアダモ>

コポポの顔が目の前に
アダモ:
うわっ!なんだ、お前か!
コポポ:
気がついたね、アダモおじさん。良かった!
王子シャイン:
おお、よかったね。アダモさん、コポポさんがずっと心配してましたよ。
もう三日も眠っていたんですから。

アダモ:
3日? 3日も眠ってたのか? 道理で腹が減った。のどもカラッカラだ。
<コポポが差し出した水を一気に飲み干す>
あー、生き返ったってのはこのことだな。心配してくれてありがとよ、コポポ。で、ここは一体どこなんだ?
シャイン:
私の隠れ家です。
アダモ:
隠れ家って、あんたは何者・・?

家老のジイ:
ポンポン王国の王子じゃ。
アダモ:
ポンポン王国?
ジイ:
ポンポン族の王国じゃ。
コポポ:
で、このおじさんは家老さんだって。えらいんだよ。

アダモ:
へー、それはお見それしやした。で、かろうってなに?
コポポ:
そんなことはいいから、お礼言わなくっちゃ。
おぼれるところを助けてもらったんだから。
アダモ:
そうだな。まったくお礼の言いようもありゃしません。感謝感激でさ。
シャイン:
ちょうど船で通りかかったんです。ここへ来る途中でね。
ジー:運がいいんだよ、二人とも。そうじゃなきゃ、二人とも今頃は・・
<そこへバタバタバタッ!フクロウが飛び込んで来ました。>

フクロウ:
ホー、ホー、フクロウ便だよ。
シャイン:
やっ!お前は父の伝書フクロウ、父の身に何か変わったことでも?
フクロウ:
そのとおり、王様が危篤です。すぐ城に戻ってください。
ジー:
王子、お待ちください!これは、罠かもしれませんぞ。
(アダモたちに)われらはわけあって城から逃げてきたのじゃ。
王子の
命を狙う連中が今は城を牛耳っているのでございます。
シャイン:
もはや病気の父には、王としての実権がないのです。
アダモ:
お母さんはいないのかね、その、お妃様、がいるのでは?
シャイン:
今のお妃さまは、私の母ではない。
ジー:
先のお妃さまは3年前に亡くなったのじゃ。
今のお妃さまは、ご自分の子、リンシー様を、王の跡継ぎにしようと画策しているのじゃ。
アダモ:
なるほど、お家騒動ってやつだな。
フクロウ:
じゃ、とにかく伝えましたからね。私の任務はこれでおしまい。
信じるも信じないも「あなたしだい」だよ! では、さらば。
<バタバタバタ、音を立てて飛んでいきました。>

<城>
アダモ:
あれだな。
コポポ:
ワクワクするね。

<城の前に警備隊が待っていた>

<警備隊長>
警備隊長:
お待ちなさい、シャイン王子。王に対する反逆の疑いで逮捕命令が
出ております。
シャイン:
お妃の命令か?はじめから覚悟の上での入城じゃ。抵抗はせぬ。
遠慮なく逮捕いたせ。
隊長:
はは、恐縮でございます。
アダモ:
おれ達はどうなります?
隊長:
もちろん、ご同行願う。城に入るのであればの話だが。
アダモ:
どうするコポポ?オレたちも逮捕されちまうんだってよ。
シャイン:
お二人はここで先に行きなさい。お母さんを探さなきゃならないんでしょう?私たちにかかわってる場合ではないでしょう。
コポポ:
アダモおじさん、いっしょに行こうよ。シャインさんの役に立てるかもしれないし。
アダモ:
えーっ?コポポ、お前いいのか?おまえのクソ度胸には感心するぜ。よし、じゃあ行こう。
王子さんよ、命の恩人をここで見捨てちゃ、このアダモ、男がすたるってもんだ。ぜひ、ご一緒させていただく。
ジイ:
なかなか見上げた心意気ですな。王子、どういたしますか?
シャイン:
アダモさんとコポポさんのお気持ち、大変ありがたい。ですが、・・・
アダモ:
いいってことよ。コポポの言うとおり、何か役に立ちたいんだ。オレたちの勝手にさせてくれ。
コポポ:
うん、いいってことよ!(ポンと王子の肩をたたいて笑った)
アダモ:
マネすんな、こいつ。

アダモ:
うひゃー、コポポ、あのまっかっかなのがお妃か?
ちょっとおっかないぞ。
コポポ:
カーリー様っていうんだって。おじさん、失礼のないようにね。
アダモ:
おれの苦手なタイプだよ。手が震えてきちゃってるよ。ほら、ブルブル、ブルブル・・

カーリー妃:
みなの者に告げる。王様はご危篤にあられます。
それゆえ、後継ぎの王子を今のうちに決めておきたいという、王様の仰せです。
シャイン王子、リンシー王子、前に出なさい。


リンシー:
ぼくは王になんかなりたいと思わない。兄さんがいいじゃないか。
カーリー妃:
おだまりなさい、リンシー。あなたが決めることではないのです。

シャイン:
わたしも同じです。 争って王になりたい、とは思わない。
この国が平和であるなら、だれが王になってもかまいません。
カーリー妃:
ふん、あなた、そんなきれいごと言って。もし王になったら、私達を追い出すに決まってるわ。
シャイン:
私を信じてらっしゃらないのですね。ならば私はこの国を出ていきます。
カーリー妃:
まあ、ほんと? じゃあそうなさい。リンシーこれで決まりよ、次の王はあなたに決定!
◇ ◇ ◇ ◇
<おやおや、これでほんとうに決まってしまうんでしょうか>
<そこへ、バタバタバタバタ、とやってきたのは>

フクロウ:
フクロウ便だよー。王様からの伝言だよ。
カーリー妃:
なによ、いきなり。今いいとこなのに。
フクロウ:
一同、心して王様のお言葉を聞かれますように。
カーリー妃:
もったいぶって、なんなのフクロウ。
フクロウ:
なぞなぞです。正解した方が王の跡継ぎになれるのです。
カーリー妃:
なぞなぞですって!? 聞いてないわよ!王様のお遊びにつきあっている暇はございません。
フクロウ:
どうぞ、お好きなように。ではなぞなぞ、
「いつも違うのに、いつも同じもの」ってなあに?
繰り返し。「いつも違うのに、いつも同じもの」ってなあに?
じゃあ、伝えたよ、明日の昼に発表だって。ではっ。(バタバタバタバタ)

アダモ:
いつも違うのに、いつも同じもの・・か。

コポポ:
いつも違うのに、いつも同じもの・・なんだろ。
そんなのあるのかなあ。

カーリー妃:
バカバカしい!つきあってなんかいられやしない。
いつも違うのに、いつも同じもの、なんて。なにそれっ!ふざけてるの?そんなのあるわけないでしょう。
ああ、頭がどうかしそうだわ。リンシー、部屋に戻りましょう。
アダモ:
いつも違うのに、いつも同じものってなあに、か。
こりゃ、難しいぞ。
コポポ:
違うってことは同じじゃないってことだよね。変じゃない?
アダモ:
ヘンだ。王様の頭がおかしくなったんじゃないのか?

ジイ:
これ、なんということをおっしゃる。
アダモ:
こりゃ失礼。だけどね、これ、答えられない場合、オレたちどうなるわけ?
一生、こんな牢屋にいなくちゃなんないのかな?

シャイン:すみません、私にかかわったばかりに、こんなところに閉じ込められてしまって。
アダモ:
王子のせいじゃない。コポポですよ、オレを巻き添えにしたのは。
コポポ:
ひどーい、アダモ!王子は私たちの命の恩人なんだから、少しは恩返ししなくっちゃ。
アダモだって、命の恩人だって言ってたよね!
アダモ:
分かった、わかった。それより、みんなで考えなくっちゃな。
いつも違うのに、いつも同じものってなあに、ってやつをよ。
ジイ:
わしはなぞなぞは苦手でな。
コポポ:
だいじょうぶ、きっと見つかるよ。ねえ 王様が好きなものってなあに?
きっと、その中に答えがあると思うんだけど。
アダモ:
それ、オレもそう思った。
コポポ:
ホント?
ジイ:
王様の好きなことね、・・
つづく